blog院長ノート

新小平クリニック > 院長ノート > うつ病について

うつ病について

  • 2025/11/07 院長ノート
  • うつ病とは

    ~脳の疾患であり、同時に「心理構造の疲弊」でもある~

     

    うつ病は、ストレス × 心理構造の脆弱化 × 脳の神経伝達物質の低下

    この三つが絡んで発症すると理解されます。

     

    ① 心理構造の崩壊

    〜「頑張る自分を守ってきた仕組み」が限界を迎える〜

    心理学では、うつ病の背景には 防衛機制が破綻するプロセス が見られます。

    ◆ 初期:高い理想自己とパフォーマンス主義

    ・理想自己(Ideal self

    ・現実自己(Real self

    この ギャップが大きいほど、自己評価が脆弱になります(自己不一致理論)。

    「こうあるべきの自分」「今の自分」

    この差が苦しみを生む。

     

    ◆ 中期:防衛機制が働きすぎる

     

    防衛機制

    行動例

    心理影響

    抑圧(repression)

    本音や疲れに気づかない

    心のエネルギーを消耗

    否認(denial)

    「まだ大丈夫」

    症状を悪化させる

    合理化(rationalization)

    「私が頑張ればいい」

    不満や苦痛が見えなくなる

    知性化(intellectualization)

    感情より思考で処理

    感情の鈍麻

    同一化(identification)

    周囲の期待に染まる

    自分を見失う

    これらは悪いものではありませんただし、使い続けることで 感情が凍結される ことがあります。

    その結果、アレキシサイミア(感情認識困難)が起こり、「自分が何を感じているか分からない」状態になります。

     

    ◆ 末期:心理的エネルギーの枯渇

    現代心理学では ego depletion(自我疲弊) と呼ばれます。

    「もう頑張れない」のではなく、心の燃料が尽きている。

    これは 脳の問題であり、意志の問題ではありません。

     

    ② 認知の変化

    考え方そのものが変化する~

    うつ病では、心理療法(認知行動療法)で用いる概念が深く関係します。

     

    ◆ スキーマ(Core schema:根本的信念)

    人生初期の体験から形成されます。

    例)

    ・「愛されるには頑張り続けないといけない」

    ・「人に迷惑をかけてはいけない」

    このスキーマが 自動思考(automatic thoughts を生みます。

     

    ◆ 認知の歪み(Cognitive distortion)

    認知の歪み

    内容

    全か無か思考

    完璧でなければ価値がない

    破局化

    少しのミスで「終わりだ」

    自己関連づけ

    何もかも自分のせい

    思考が「病気」によって歪んでいるだけ

     

    ③ 学習性無力感

    ~「どうせ無理」が固定化されていく~

    心理学者セリグマンの有名な概念。

    1. 頑張る

    2.うまくいかない

    3.「努力しても無駄」と学習する

    4.行動しなくなる(無力化

    「動けない」 のではなく、動けなくなるように脳が変化した

     

    ④ アタッチメント(愛着)と脳

    愛着理論では、乳幼児期に形成される 内的作業モデル(Internal working model が、

    ・人との距離感

    ・失敗への耐性

    ・依存 / 自立のバランス

    に影響します。

    不安型 / 回避型の愛着傾向が強い場合:

    不安過剰適応疲弊崩壊うつ病

    というプロセスを辿りやすいことがわかっています。

     

    まとめ

     

     うつ病は...

    医学的

    心理学的

    発症の原因

    神経伝達物質の低下

    心理構造の疲弊・自己不一致

    症状

    意欲低下・抑うつ・不眠

    認知の歪み・学習性無力感

    必要な治療

    薬物療法+休息

    心理療法+感情への気づき

     

    🌱

     

    院長より

    うつ病は「心が弱い」のではなく、心が働きすぎた結果です。休むことは、治療です。

     


08:30 ~ 19:30
担当医 院長 院長 院長 院長 院長

:金曜日の診療時間は9時〜12時、13時半〜17時
:土曜日の診療時間は13時半〜19時半
※:国立精神・神経医療研究センターからの派遣医師による診療

【休診日:土曜午前、日曜】

042-312-1185 / 042-312-1523

事前にご予約もお取りすることも可能です。お電話にてお問合せ下さい。
また出張などで診療時間に臨時の変更がある場合がございます。
遠方よりご来院の場合は是非一度お問い合わせ下さい。

オンライン診療

新小平クリニック
CONTACT

ご相談・お問い合わせ

ご不明な点や、診療についてのご相談などお問い合わせ下さい。

※外来・健診等の予約はこの問合せフォームでは承っておりません。
お急ぎの場合は、お手数ですがお電話にてお問い合わせ頂きますよう、お願い申し上げます。

  お問合せフォーム