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適応障害について

  • 2025/11/07 院長ノート
  • 適応障害とは

    ~「ストレスが強すぎた」のではなく、“頑張りすぎた” 結果~

     

    適応障害は、環境ストレスに対して、心と身体が限界を迎えた状態

    医学的には ストレス関連障害 に分類されます。

     

    【重要なポイント】

    ・原因となるストレスがはっきりしている(仕事・人間関係・環境の変化)

    ・ストレス要因が無くなると改善することが多い

    ・「心が弱い」「甘え」ではない

     

    ① ストレス脆弱性モデル

    Stress–Vulnerability Model

    ストレス量 × 脆弱性(ストレス耐性)で発症が決まるというモデル。

    人には「ストレスに耐えられる容量(コップ)」があり、

    ・ストレス(外的要因)が増える

    ・脆弱性(内的要因)が高まる

    と、心があふれてしまいます。

    あなたが悪いのではなく、環境が強すぎた。

     

    ② 過剰適応(over-adjustment)

    ~「期待に応え続ける」ことで心が削られる~

    適応障害の方に多く見られる心理傾向:

    ・人に嫌われたくない

    ・迷惑をかけたくない

    ・頼まれると断れない

    自分より他人を優先してしまう「自己犠牲スキーマ」。

    優しい人がもっとも発症しやすい。

     

    ③ 認知スキーマと自動思考

    Beck 認知理論)

    適応障害では、深層心理にある スキーマ(根本的信念) が影響します。

    例)

    ・「完璧にしないといけない」(完璧主義)

    ・「嫌われてはいけない」

    ・「弱音は許されない」

    このスキーマが

    自動思考(瞬間的に浮かぶ考え)
→ 認知の歪み(非現実的な思考)につながります。

     

    認知の歪み

    実際に出やすい思考

    全か無か思考

    「完璧じゃない自分は価値がない」

    心のフィルター

    できた点を無視して、欠点だけに注目

    自己関連づけ

    「全部自分のせい」

    ④ 防衛機制(Defence mechanisms)

    ~心を守る仕組みが働きすぎて疲弊する~

     

    防衛機制

    表れ方

    抑圧(repression)

    感情に蓋をし「大丈夫」と言う

    合理化(rationalization)

    「ここで辞めるのは逃げだ」

    知性化(intellectualization)

    感情ではなく理屈で処理する

    同一化(identification)

    周囲の期待に合わせる自分になる

    防衛機制が強くなるほど「本音と感情に気づかず、SOSを出せない」

    そして症状が悪化します。

     

    ⑤ アタッチメント理論(愛着)

    ~幼少期の経験がストレス対処に影響する~

    不安型・回避型愛着の人は、

    ・他者の期待に過度に応えようとする

    ・自分の本音に蓋をする

    という傾向があり、

    過剰適応疲弊適応障害

    に発展しやすいとされています。

     

    ⑥ 心理的易疲労性(ego depletion)

    ~「動けない」ではなく、心のエネルギー切れ

    決してサボっているのではありません。

    脳が「これ以上は危険」と判断し、強制的にブレーキをかけている状態 です。

     

     

    よくある症状

    心の症状

    ・不安・焦燥感

    ・涙もろくなる

    ・集中力低下

    身体の症状

    ・頭痛

    ・動悸

    ・腹痛・下痢

    ・不眠

     

    治療の方向性

    ~「原因のストレスから距離を置く」ことが最優先~

     

    ① 環境調整(環境介入)

    ・休職・部署変更・業務調整

    ・過剰な責任の軽減

    👉 ストレス源から離れることが最大の治療

     

    ② 心理療法(CBT / ACT)

    ・認知の歪みを修正

    ・本音に気づく練習

     

    ③ 漢方治療(身体の反応を整える)

     

    漢方薬

    効果の期待できる症状

    加味逍遙散

    イライラ・のぼせ・不安

    柴胡加竜骨牡蛎湯

    動悸・不眠・緊張

    抑肝散

    神経過敏・焦燥感

     

    心理 × 身体 × 環境 の三方向からのアプローチが最も効果的。

     

    🌱

    院長より

    「適応障害は弱さではなく、頑張りすぎた結果です。」休むことは、治療です。

     


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