適応障害とは
~「ストレスが強すぎた」のではなく、“頑張りすぎた” 結果~
適応障害は、環境ストレスに対して、心と身体が限界を迎えた状態
医学的には ストレス関連障害 に分類されます。
【重要なポイント】
・原因となるストレスがはっきりしている(仕事・人間関係・環境の変化)
・ストレス要因が無くなると改善することが多い
・「心が弱い」「甘え」ではない
① ストレス脆弱性モデル
(Stress–Vulnerability Model)
ストレス量 × 脆弱性(ストレス耐性)で発症が決まるというモデル。
人には「ストレスに耐えられる容量(コップ)」があり、
・ストレス(外的要因)が増える
・脆弱性(内的要因)が高まる
と、心があふれてしまいます。
あなたが悪いのではなく、環境が強すぎた。
② 過剰適応(over-adjustment)
~「期待に応え続ける」ことで心が削られる~
適応障害の方に多く見られる心理傾向:
・人に嫌われたくない
・迷惑をかけたくない
・頼まれると断れない
自分より他人を優先してしまう「自己犠牲スキーマ」。
優しい人がもっとも発症しやすい。
③ 認知スキーマと自動思考
(Beck 認知理論)
適応障害では、深層心理にある スキーマ(根本的信念) が影響します。
例)
・「完璧にしないといけない」(完璧主義)
・「嫌われてはいけない」
・「弱音は許されない」
このスキーマが
→ 自動思考(瞬間的に浮かぶ考え) → 認知の歪み(非現実的な思考)につながります。
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認知の歪み |
実際に出やすい思考 |
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全か無か思考 |
「完璧じゃない自分は価値がない」 |
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心のフィルター |
できた点を無視して、欠点だけに注目 |
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自己関連づけ |
「全部自分のせい」 |
④ 防衛機制(Defence mechanisms)
~心を守る仕組みが働きすぎて疲弊する~
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防衛機制 |
表れ方 |
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抑圧(repression) |
感情に蓋をし「大丈夫」と言う |
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合理化(rationalization) |
「ここで辞めるのは逃げだ」 |
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知性化(intellectualization) |
感情ではなく理屈で処理する |
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同一化(identification) |
周囲の期待に合わせる自分になる |
防衛機制が強くなるほど「本音と感情に気づかず、SOSを出せない」
そして症状が悪化します。
⑤ アタッチメント理論(愛着)
~幼少期の経験がストレス対処に影響する~
不安型・回避型愛着の人は、
・他者の期待に過度に応えようとする
・自分の本音に蓋をする
という傾向があり、
過剰適応 → 疲弊 → 適応障害
に発展しやすいとされています。
⑥ 心理的易疲労性(ego depletion)
~「動けない」ではなく、心のエネルギー切れ~
決してサボっているのではありません。
脳が「これ以上は危険」と判断し、強制的にブレーキをかけている状態 です。
よくある症状
心の症状
・不安・焦燥感
・涙もろくなる
・集中力低下
身体の症状
・頭痛
・動悸
・腹痛・下痢
・不眠
治療の方向性
~「原因のストレスから距離を置く」ことが最優先~
① 環境調整(環境介入)
・休職・部署変更・業務調整
・過剰な責任の軽減
👉 ストレス源から離れることが最大の治療
② 心理療法(CBT / ACT)
・認知の歪みを修正
・本音に気づく練習
③ 漢方治療(身体の反応を整える)
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漢方薬 |
効果の期待できる症状 |
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加味逍遙散 |
イライラ・のぼせ・不安 |
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柴胡加竜骨牡蛎湯 |
動悸・不眠・緊張 |
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抑肝散 |
神経過敏・焦燥感 |
心理 × 身体 × 環境 の三方向からのアプローチが最も効果的。
院長より
「適応障害は“弱さ”ではなく、“頑張りすぎた結果”です。」休むことは、治療です。
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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| 08:30 ~ 19:30 | ● | ● | ● | ● | ○ | □ |
| 担当医 | 院長 | 院長 | 院長 | 院長 | ※ | 院長 |
○:金曜日の診療時間は9時〜12時、13時半〜17時
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※:国立精神・神経医療研究センターからの派遣医師による診療
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